塩野義製薬から、小児のADHDの治療を目的としたゲーム『ENDEAVORRIDE®(エンデバーライド)』が発売されました。
※病院で処方されないと遊べません。詳細は専門家にご相談を。
エンデバーライドのもとになった海外版(EndeavorRx®)は数年前から子どものADHDの治療に活用されていて、一定の改善効果が報告されています。医療従事者間でも一部注目されていて、「日本でもそのうち発売されるかも?」という話は以前から聞いていました。
個人的に気になっていたので、期待していることなどをつらつら書き残します。医療的な専門情報ではなく、ゲーム制作ブログの雑談記事です。
どんなゲーム?
端末を傾けて障害物を避けつつ必要なアイテムをタップする、マルチタスクのアクションゲームです。
治療用ゲームと聞くとなんとなくつまらなそうなイメージでしたが、市販のゲームにも見劣りしないし面白そうです。
似ているマルチタスクのミニゲームは探せば割とあると思いますが、臨床試験で効果が裏付けられているのは大きな違いです。
公式ページを見るに、世界的な神経科学者や受賞歴のあるゲームデザイナーによって開発された旨が記載されています。
おそらく一番のキモはリアルタイムのレベル変動アルゴリズムで、集中力を保ったままギリギリの難易度で続けられるのがアツいのでは。
アメリカでは2020年に承認されています。
3Dゲーム酔いが少ない
ちょっと心配だったのが3D酔いです。特に子どもは酔いやすいです。私もマインクラフトで酔います。
しかし上記の論文を見るに、画面酔いらしき副作用(頭痛、めまい、吐き気)は180人中たった数人と、思っていたより少ないです。デバイスを傾けるときに体も動かすので、映像と三半規管のズレが少なく酔いにくいのかも。
これはADHD治療薬に比べると、副作用の少なさという点で使いやすい印象です。例えば小児のADHDにも使われるアトモキセチンは、添付文書によると副作用の悪心(31.5%)、食欲減退(19.9%)、頭痛、傾眠などがかなり出やすいです。そのせいで薬を飲むのを断念してしまうケースも少なくありません。継続しやすい治療法が新しくできたのは良いことです。
ゲームは作業療法の一環?
専門外ですが、作業療法としてのアナログ的なゲーム活用は今までもありました。一人ひとりに合った対応ができるという点ではとても良いのですが、子どもを連れて行く手間などのハードルがあります。
スマホやタブレットでできるゲームなら手軽だし、人見知りする子どもたちも安心です。
環境を整えたり食事を改善するのも重要で、あくまでゲーム治療は補助的な位置づけですが、他の治療があまり効かなかった・副作用で薬をやめてしまった子どもたちにとって希望になるかもしれません。

余談
ルールが切り替わる点だけ見ると、古典的なデジタルゲーム・パックマンが思い浮かびます。報酬系に上手くリーチしているから現在も知られているのかも。
属性を切り替える斑鳩が注意力不足に効くかも……? ただし子どもたちには難しいかも。
マルチタスクのゲームは数多くありますが、最近ハマったのはこれです。
ただのおすすめゲーム紹介欄になってしまった。
おわりに
海外では、EndeavorRx®を元に構築された大人のADHD向けのゲームアプリがOTC(処方不要)で公開されています。サブスク形式。
すでにゲームのOTCが存在しているとは驚きです。日本は遅れているかも。
デジタル治療(デジタルセラピューティクス:DTx)はアツい分野で、今後も役に立つソフトがたくさん出てくることでしょう。日本発のソフトももっと出てきてほしいなと思います。
将来的には保健機能食品のように、一定の基準を満たしたゲームは「注意力不足が気になる方に」みたいなラベルを表示できる仕組みになっていくかもしれません。
私のようなサメ映画風映像作品に申し訳程度のミニゲームを挟むようなタイプの個人開発者にはあまり関係がないかもですが、今後もゲームと医療の連携に期待しています。



















