2023年6月10日

画像生成AIの規制で過去の自作ゲームの画像の差し替えが必要になるかも?という話と、拙作「AIかAIじゃないか100問」の制作後記です。

Stable Diffusion発表当時はかなり画像生成にハマっていて、「著作権フリーのクソコラ素材が無限に手に入る!」と喜んでいたのですが、今では学習データの権利問題などで真逆の状態です。

↑の文化庁発表を見て、全ての生成画像が権利侵害なのかと空目しましたが、今までと同じで、類似性や依拠性が認められれば著作権違反とのことでした。AIについてのルール作りは途中なので、取り扱いについて今後また対応が変わってくるかもしれません。

今まで公開したゲームについて

画像生成AIが出始めた半年前(2022年9月)は物珍しさがあり、私もクソコラ画像生成器としか思わずに画像生成AIを使って遊んでいました。当時のStable Diffusionで遊んだ画像で出来たゲームはこちら

その後学習元データの問題がとりあげられ、「法的に問題ないとはいえ、学習元データに不安があるなら利用は控えるべき」と思いつつ、注意喚起の意味も込め公開したクイズゲーム習作はこちら

今後のAI関連の規制により、ゲームの画像差し替えや非公開化が必要になるかもしれません。拙作「メガ老夫vsメカロボット」はゲームジャムイベントで制作されたフリーゲームなので、当時の制作状況や時代的背景も伝わるように、出来るだけそのまま残しておきたい次第です。

画像はGoogle画像検索で一致がないことを確認したり加筆したりと、当時出来る範囲の配慮をして作ったものの、今後のことは分かりません。

クソコラ素材生成器だと無邪気に喜んでいたあの頃……

「AIかAIじゃないか100問」制作後記

公開してからかなり経ちますが、反省文(振り返り)を書いていなかったのでここに書いておきます。他のゲームはなんだかんだ毎回書いているので……。

こういう性質のゲームとはいえ、著作権問題に配慮し、没後100年たっていない作家名(ミュシャやマグリット)はプロンプトに入れずに生成しました(70年で十分だったかも)。また、美少女イラスト系の画像は、対照となる人力画像を用意できないので入れませんでした。フリー素材や有料素材の立ち絵などのストックはあったのですが、いくら素材とはいえAIが書いた絵と比べてしまうのはよくないなと思い留まりました。AIが描いた絵と人が描いた絵、どちらがいいか?という街頭アンケートをしていた番組に制作者が抗議したというニュースを見て、それはそうだろうと思いました……。比較されるだけでも不名誉なのに、この件では日本の著作権法的にもアウトだと思うのですが……。

他人の絵ではなく自分の絵ならまあAIかどうか推測されても問題ないと思い、自分でAIに寄せたイラストを描いてみたものの、胆力が足りずお蔵入りにしました。今見返すと、もっとノイズを乗せたり色収差を追加したりしたほうがAI画像に寄せられたかもしれません。(人間が画像生成AIを真似るという謎の努力)

Blenderは挫折中です。

というわけで権利関係に配慮し、対象画像は博物館が公開しているパブリックドメイン画像か有料写真素材、もしくは自前の素材に徹底しました。

100問は多かったと思いつつ、それなりに遊んでいただけているようで良かったです。ランキングによると正答率は大体60問程度のようで、思ったより難しかったかなと思いました。姑息なひっかけ問題を作ってみたり、名画も少しマイナーだったからでしょうか。

画像調達の事情に注目すると、かなり簡単になってしまうかもしれません。

近所の池のキンクロハジロのオス

私個人としては、作品を通じて作者の情熱や癖を感じたいので、稚拙でも愛を感じられる手描き絵のほうが好みです。


学習データ

学習元のデータについては、Adobeなら安心できそうです。さすがAdobe! 喜んで税金払います!

著作権クリアな画像生成AIが出来た以上、かつてのモデルは使われなくなっていくことでしょう。著作権のリスクのある画像が生成されやすいし、自分の作品を学習データに勝手に利用されてしまったと悲しんでいる人の存在が広く知られている今では、気持ちよく利用できるものではありません。学習自体は法的に問題ないとしても、気分や倫理の問題です……。


おわりに

AIで遊び倒した反動もあり、最近は自力更生の気分です。絵の練習を再開し、Youtubeのお絵描き講座を見ながら最近の絵柄を学んでいますが、先は長そうです。

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