去年Flashブロック崩しをサイトに設置したものの、Ruffleで再生すると無音になってしまう問題がありました。
今回それを解決しました。一時しのぎですが、B2.swfのバージョンを差し戻したら音が出るようになりました。詳しいことは以前の記事に追記したので、物好きな人は試してみて下さい。まあそのうちRuffleが対応するのでは……。
ゲームはこちらから遊べます。Ruffle以外のプラグインでも見られるように、CDNを使っていないページも用意しました。
以下は苦労話などの日記です。
概要
「ブロック崩しがやりたいんじゃない、B2ブロック崩しがやりたいんだ!」というFlashの亡霊に取り憑かれ、去年無事に個人サイトに設置することができました。音が鳴らないという問題はあったものの、他の環境でもそうらしかったのであまり気にしていませんでした。
しかしその後、Ruffleなのに音が出るB2(公式サイトのチュートリアルなど)を発見し、b2.swfのバージョンが違うことに気づきました。なおバージョンは起動画面に出ます。

資料不足
音が出るほうが良いので、古いバージョンに差し替えました。しかしバージョン違いにより設定ファイルの記述方法が異なり、アイテムが出なくなってしまいました。一部のアイテムは元々実装されていないバージョンですが、せっかくなので実装範囲内だけでもアイテムが出るように設定ファイルの記述を書き換えました。
この記述についての資料不足でなかなか難航しました。というのもこのバージョン(Ver.1.08d)が最新版として普及していたのは2003年の数ヶ月の間だけで、多くの制作ガイドや作品は最新版(Ver.1.08e3)用に作られているからです。WebArchiveを辿ってみても保存されているのは2005年くらいからで、それ以前のデータを見ることは難しい状態でした。
その後、古いバージョンを使っているブロック崩しページの設定ファイルを発掘し解決しました。2003年に公開されたであろうページの資料が必要になる場面があるとは……。あやうくロストテクノロジーでした(冷静に考えるとswfファイル本体の内部構造から記述方法を割り出すこともできたのでは)。というわけでアイテムを出せるようになりました。
対応している16kモノラルのmp3をCubaseで用意したものの、アイテム取得音は鳴らすことができず……。取得音はそもそも鳴らないバージョンのようです。音声の差し替え自体は機能していて、微かに開始音が鳴るようにしました。
Ruffleのフォーラムに報告して待ったほうが建設的では、と思ったもののサウンド関係はすでに大量の報告がされていたし、非エンジニアにとってIssue報告はかなりハードルが高いものです……。
b2.swfの規約では改造はOK(再配布は許可制)なので、余裕がある方は改造してみては。私はもう満足です……。
所感
22年も前の古い配布バージョンが今も公式サイトからダウンロードできる状態なのは珍しいように思えます。レンタルサーバーの終了などで多くの個人サイトが失われ、去年もVectorソフトライブラリのホームページサービスが終了しました。こうして残っているのは素晴らしいことです。WebArchiveはダウンロードコンテンツまでは完全ではないので、現代の理想形はGitHubなのかなと思います。
貫通弾のときはブロック破壊音が出ないようになっていることに気づきました。音の重複を防ぐための配慮のようです。とはいえこれに気づいたところで語らう相手が現代では全然いません。
イラスト修正
ついでにイラストを差し替えてみました。元々ベクター画像をFlashで動かすのを断念したものでした。

前のほうが良かったかも……。

追加されたしまうまです。人畜無害を演出。今後の活躍はあるのか……。
僥倖
昔遊んだFlashゲームと今のゲーム制作の繋がり
Flashサイトのブックマークを辿っていたら、当時夢中で遊んだFlashゲームの作者の方がUnityの入門書を書いていて、その入門書は私も読んでいたものだと分かりました。更にFlashゲームのページも残されていました!
ブラウザにRuffleのプラグインが入っていれば遊べます。今でも遊べることに感謝です。

家庭用ゲームとは別の文化圏にいたので、こうしたインターネット上で遊べるゲームの存在は神でした。知らず知らずのうちに再びお世話になっていたとは……。
推しサークルの活動確認
資料探しで過去のブックマークをWebArchiveで巡っていたところ、推しサークルが現在も活動していることを確認……! しかも詳しく見てみたら、最近気になっていたあるゲームのイラストを担当されているとのこと! 元のサークルとは別名義ということもあって気づきませんでした。普段遊ばないジャンルのゲームなのにすごく気になっていたのは、この方の作風に無意識に惹かれていたからなのか……と、一人で納得しました。お元気そうで何より……! 万物に感謝――。
おわりに
ChatGPTやCopilotに聞いてもこのサイトの記事が参照されてしまう程度には孤独な自由研究でした。

ここでFlashの亡霊の存在に気づきました
とりあえず音付きで再生できて嬉しい限りです。ツール配布とRuffleと貴重な文化に感謝。
B2ライクなブロック崩し制作ツールや、Unityで再現しようとする記事が検索でヒットしたので、懐古や検証以外の目的ならそちらのアプローチのほうが良いと思います。当然ながら。