フラッシュゲームはどうやって作るのか、懐古と実験を兼ねて挑戦してみました。
完成したのはこんな感じのクリッカーゲームです。制作期間2週間、プレイ時間約3分。

こちらから遊べます↓
経緯
2020年のFlash Playerサポート終了により再生できなくなったFlashが、エミュレーター・Ruffleにより続々と復活しました。私も過去のFlashゲームが動くか試したり、Flash製のサイトアクセサリーを設置してみたりしました。新規でFlashゲームを作っている方をお見かけしていて、どうやって作っているのか興味があったので挑戦してみました。
制作
使用ツール
- Adobe Animate 2024
- かつてのAdobe Flash Professional
- swf形式は非推奨ながらも対応
- 現時点ではAdobe Creative Cloudもしくは単独プランで使用可能
- FireFly
- 著作権的な学習問題をクリアしたとされる生成AI
- 動画や音声も生成できるものの発展途上
- FFmpeg
- 無料の高機能メディアエンコーダー
- 動画をpng連番画像として書き出す際に使用
- Ruffle
- Flash再生エミュレーター
- 公式から最新版を無料DLもしくはCDNを使用
- ChatGPT
- アクションスクリプトを初心者に教えてくれるAI
- Cubase
- カカポっぽいBGM制作
- 使ったことないけどAuditionを使えば更にAdobe縛りができたかも
かつては無料のFlash制作ツールがいくつかあったようですが、現在では見つけられませんでした。ParaFla!が現代PCで起動できないのは確認済みです。使う方法はあるとは思いますが、今回は公式ツールを使います。
AdobeCCのプラン変更により、Animateを含む契約の期限が迫っていたので急いで作りました。また、FireFlyのクレジット残高を消費するべくカカポを生成しました。結果、Adobe縛りのような制作になりました。(AnimateはCC Proと単独プラン限定になると思いこんでいたのですが、Standardプランで使えるアプリに含まれていたので勘違いでした。もう少し猶予はあった……。)
制作画面
Animateの作業画面はこんな感じでした。

1フレーム目で完結するミニゲームで、ActionScriptも1つだけです。
テストプレイ(デバッグ)でAdobe Flash Playerが開かれて驚きました。こんなところにいたとは。ちゃんとFlashゲームっぽく再生できて少し感動。

完成
というわけで完成しました。
できたこと
- 音量調整
- 踊る鳥人間
- 虹色のテキスト
- 舞い散る紙幣
できなかったこと
- リトライ機能
- シンプルな技術不足
- 動画再生
- 現在のRuffleではFLV動画を再生できず
- 連番pngで連続再生
- ボーナス風船
RuffleはFlashの全ての機能をサポートしているわけではないので、制作中はまめにRuffleの公式デモページで動作を確認したほうがよさそうです。
所感
フラッシュゲーム作り
今回のフラッシュゲーム作りは、ちょっとしたタイムスリップ気分が味わえるかもしれないと思っていました。しかしアクションスクリプトはAIで完結したので、当時の資料を参照する機会はほとんどありませんでした。Animateも当時とはインターフェースなどがかなり変わっているようでした。Flash時代の制作の体験とはかけ離れたものになったと思います。
今のUnityでのゲーム作りとの単純な比較はできませんが、Animateの操作は直感的で、アクションスクリプトもとっつきやすい印象でした。Flash Playerのサポート終了がなかったら、初心者にもおすすめできるゲーム制作ツールとして今でもあり続けていたのでは。HTML5 Canvas形式でのゲーム制作は試したことがないので分かりませんが、同じような感覚で作れるならちょっとした2Dのバカゲー作りには最適解かもしれません。
Flashゲーム作りには満足したので私が今後Animateを使う機会があるかは不明です。アニメ作りにはちょっと興味がありますが……。さらばAnimate……。
とりあえず面白い体験でした。こうして小規模ながらも完成したことで、私の中のFlashの亡霊も満足したことでしょう。
FireFly
もうみんな飽きてる生成AI。いつの間にか音声生成までできるようになっていました。生成のクレジット残高がフルだったので、カカポの動画生成などをして遊びました。
カカポと入力してもミヤマオウム(Kea)のような鳥になってしまいました。緑色のカカポと入力した結果がこれらです。FireFlyのデータセットは著作権的に安全と聞いていますが、カカポが含まれていない可能性……?
そこで生成された被り物をしたカカポ?の5秒動画がこちら。
は??
かわいすぎて怒りさえ湧いてきます。背徳感。生成AIは危険。
かつてのFlashと現代のFireFlyが融合することでなんかこうエモさとかを勝手に感じられればと思います。少なくとも2025年に作った証左にはなるはず。時代的指標。
本物のカカポ
本物のカカポはこちら。
カカポの里親になれるチャンス!
おわりに
Flashは現代でもちょっとしたブラウザゲーム作りには十分な機能があると思いました。しかしそれならわざわざFlashである必要はないので、こうした検証や懐古目的、あるいは強いFlash愛のある場合以外で使われることはもうないのかなと感じました。Flashゲーム制作者として気持ちを新たにしつつ、Unityでの制作に戻ろうと思います。
貴重な体験でした。感謝そして感謝――。




















