海外のサイトで日本のフリーフォントが不正に販売されるという問題があったそうです。私も末席のフリーフォント配布者としてちょっと心配になったので、自分のフォントが販売されていないか少し調べてみました。
結局、自力で探すのは難しいということだけが分かりました……。
こちらに、当該フォント作家さんによる詳しい経緯や洞察があります。業者の実際のところの目的は謎ですが、Boothのフリーフォントが利用されているとなると人ごとではありません。
この問題は購入者の個人情報収集などの別の懸念があるため、フォントに限らずに全てのコンテンツが被害の対象になり得ると思います。
なお私が配布しているフォントはこれです。祝・公開2周年。SIL-オープンフォントライセンスで配布していて、最近GitHubのリポジトリも編集しました。
以前フォント名でGoogle検索したときに中国のフォント紹介サイトがいくつかヒットしましたが、いずれもフリーフォントとして掲載されていたので危機感はあまりありませんでした。

検索が難しいことが判明
被害に遭った件の詳細記事を見るに、フォントは中国最大のショッピングサイト:タオバオで販売されていたそうです。会員登録が必要なので未確認ですが、膨大な商品数なので、見れたとしても自力で探すのは無謀かもしれません。
中国のフォント販売サイトをいくつか調べたものの、国外からはアクセスが制限されていたり、Googleにはインデックスされていなかったりしました。
しかし中国の検索エンジン百度(Baidu)を使ったところ、いくつかのフォント紹介サイトの記事が出てきました。

画像検索しても普通の紹介サイトが出るだけでした。フリーフォントとして明記されているし、特に問題なさそうです。紹介に感謝……。(簡体字不足に申し訳無さを感じつつ、軽率に追加したいとも言えない現状です……。)
結果、中国向けのエゴサをする場合、GoogleではなくBaiduが良さそうということが分かりました。以上です。内容が薄い情報ブログ並みの成果です……。
これらの記事を全て確認するのは体力的に厳しいし、名称が変更されていたら更に自力で探すのは無理な領域です。自力で気づくことがまず無理だと分かっただけでも収穫なのではないでしょうか……。
中国のフォント事情について余談
中国では公認フォントしか公的な場所で使えない、と聞いていました(GB規格)。実際は制限される場面は限られていて、結構自由みたいです。
今回色々なサイトでユニークなフォントが公開されているのを確認し、中国でも創作活動が活発に行われているんだな、としみじみ思いました。以前CJKフォントを探したときになかなか見つけられなかったので尚更そんな気分です。CJKという括りではなく、中国語フォントや韓国語フォントで個別に探したほうが良かったのかもしれません。
おわりに
自分の制作物が犯罪に加担していたらどうしようかと思い焦って調べたものの、使われていても事前に気付くのは困難ということが分かりました。
今回は中国のサイトなので検索の壁が少しありましたが、国内のサイトや英語圏のサイトでも同様の危険はあります。以前参加したゲームジャム作品の不正販売問題のときにも思いましたが、氷山の一角です。不正販売品を知らずに買ってしまわないよう注意が必要です……。
もし弊フォントが有料フォントとして販売されている場面に遭遇しましたら、ご連絡下さい。